早 春 賦
"春は名のみの風の寒さや"の歌い出しで始まるこの歌は、「夏の思い出」等の作曲で知られる中田喜直の父君、中田章の作曲で、唱歌の名曲として広く親しまれています。
作詞者吉丸一昌が信州安曇野あたりの早春の情景を詩ったとされます。
安曇野の春
この曲をマンドリンソロ用に編曲してみました。トレモロの重音で始まり、分散和音へと続きます。
三度重音の移行を滑らかに、また分散和音の部分はメロディラインを保持して弾くと感じが出ると思います。
マンドリン演奏ですが実演奏ではなく電子演奏です。
ところで、この曲はモーツァルトの「春への憧れ」(KV596)や「知床旅情」と曲想が似通っていることでも知られています。
「春への憧れ」の素晴らしい歌唱をお聴きください。
「早春賦」と「春への憧れ」はともに8分の6拍子で弱起の曲、小節数もぴったり同じです。
四季の歌の中でとりわけ春にいい歌が多いように思います。この「早春賦」のほかに滝廉太郎の「花」、日本古謡とされる「さくらさくら」、宮城道雄の「春の海」、また「春への憧れ」のほかにメンデルスゾーンの「春の歌」、ヨハン・シュトラウスの「春の声」、ヴィヴァルディの「四季」より「春」、アイルランド民謡の「春の日の花と輝く」等々。
唱歌では有名な「春の小川」、「春が来た」のほかにも
「春よ来い」(♪春よ来い、早く来い・・・)
「どこかで春が」(♪どこかで春が生まれてる・・・)
「春の唄」(♪桜の花の咲く頃は・・・)
「春の唄」(♪ラララ赤い花束車に積んで・・・)など
いささか古い歌ばかりで歳がわかってしまいそうで、AKB48の「桜のしおり」も入れておきましょう。