シチリアの朝の歌 

 

   

(本記事は筆者のブログQAZのつれづれ日記2014年10月3日付記事201831日付記事を編集したものです。)

 

日本民謡の中で例えば琉球、沖縄の民謡が独特であるのと同様、イタリア民謡の中でもシチリアの民謡はやはり独特なものを持っていると感じます。

 

シチリア民謡が好きで数多くの曲を集めては聞いています。

 

民謡は古くから口伝えに伝承されてきた歌という意味合いばかりではなく広義には作者が分かっている民謡調の古い歌なども含むとされます。

 

今まで聞いた中で最も美しいと思うシチリア民謡に100年以上も前にイタリアのシチリア島カターニア生まれ、ガエターノ・エマニュエル・カーリ(Gaetano Emanuel Cali18851936)が作曲したE vui durmiti ancora (シチリアの朝の歌)という素晴らしく美しいシチリア民謡があります。

 

Gaetano Emanuel Cali

 

この曲は1910年に作られました。
カーリはマルタ島へ旅立つ前、同郷のGiovanni Formisanoの詩を読み、抒情あふれるこの詩に感嘆し旅をしながらこの詩に曲を付けました。
しかしながらこの曲は何年もの間取り掛かったままであったため正式に発表されたのは1927年になってからのことでした。

先ずは女性歌手が歌うこの曲を聞いてみたいと思います。

 

 

英訳された歌詞の一部(冒頭部分)をご紹介しますと、

The sun has already risen above the sea,

and you, my beauty, you are still sleeping.
The birds are tired to sing,
and shackled by cold they wait for you outside.

(注:be shackled by~→~で身動きがとれない)

They are sitting on your balcony,
and waiting for a moment when you look out.

 

・・・

 

ニ短調の曲ですが、この曲の魅力の一つに途中から解放感溢れるニ長調に転調していることで、100年も前の曲ですがまったく古さを感じさせないまさに名曲と言えます。

この曲は20145月シチリア、タオルミーナの教会で現地団と共演した思い出の曲でもあります。
 

今回この曲をギター伴奏のボーカルに編曲してみました。

 

 

楽譜作成ソフトはスコアメーカー8 Pro、音源はこのソフト内蔵のKAWAI GM2 SW Synthです。

本当はボーカルではなくマンドリンで鳴らせたいのですがProとは名ばかりでマンドリン音源は貧弱でとても使いものになりません。