マンドリン等の描かれた名画 (1/2)

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マンドリン等の描かれた名画 (1/2)

１　マンドリン等の描かれた名画

1.1 有名画家の描くマンドリン

1.2 静物とマンドリン

マンドリン等の描かれた名画 (2/2)

1.3 人物とマンドリン

1.4 日本人画家の描くマンドリン

２　マンドリン絵画　(2014年1月12日、17日のブログを編集)

３　絵の素性を調べたいときは？ (2016年3月21日のブログを編集)

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1 マンドリン等の描かれた名画

絵画鑑賞にあまり興味のない方でもマンドリンを弾く方であればマンドリン等の描かれた絵画には多少なりとも関心を持っておられることでしょうし、演奏会のプログラムやポスター、ちらし等のデザインに素敵なマンドリンの絵はないかと探しておられる方もいらっしゃるかも知れません。

芸術作品としての名画とは、なんてまじめに考え出しますと頭が痛くなってしまいます。絵画は見る人によってそれぞれ感じ方が違いますから、とにかくマンドリンの描かれた美しい（と思われる）作品を有名無名にとらわれずご紹介し、名画かどうかはご覧になられる方々の判断にお任せしたいと思います。

絵画の中の楽器はほとんどが人物や静物(still life)と併せて描かれています。画家にとって楽器は格好のモチーフとなるのでしょう、マンドリンの描かれた絵画は思いのほかたくさんあることに気付かされます。中にはどう見てもマンドリンとは思えないような楽器をマンドリンと題して描いた作品も見受けられますが、そこはあまり厳格に考えずにマンドリン等として対象を少し広く捉えてみました。

ここでは蒐集しました数百点あまりのマンドリン絵画の中から選りすぐりの名画を取り上げました。主要な作品はほとんど含まれているのではないかと思われます。画像は極力高画質のものを選択するよう心がけました。色調は出典によってかなり差がありますが色調が原画に忠実かどうかは調べようがありません。また作品のタイトルや作者名の綴りにも出典によって異なるものがあり、必ずしも統一された表記ではないことをご了承ください。低画質のもの、モノクロのもの、作者不明のものや画題のないもの、あまりにも抽象的なもの等は原則省きました。

とここまで予防線を張りまして、さっそく見てゆくことに致しましょう。最初は誰にでもよく知られた有名画家の描くマンドリン、次にそのほかの画家の描く静物とマンドリン、そして人物とマンドリン、最後に日本人画家の描くマンドリン、の4部構成です。絵画にお詳しい方にはありきたりの画家の説明などいちいち不要かと思いますが、ごく簡単に触れさせていただきました。

さて皆さまはどの絵画を名画とお感じになられることでしょう。これを機会にここで見つけた1枚の絵画の本物に直接出合う旅に出掛けてみられるのも素敵なことではないでしょうか。

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1.1 有名画家の描くマンドリン

一口に有名画家と言いましてもどこまでが有名でどこからが有名でないか線引きはできませんが、ここでは比較的よく知られている10人の画家を取り上げました(日本人画家は別項で取り上げています)。

■ コロー

まず最初は探しました中でマンドリン絵画の最も多かったJean-Baptiste Camille Corot、ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(1796－1875、フランス)です。

ミレー等とともにバルビゾン派の一人で19世紀フランス美術の中で最も優れた風景画家の一人とされます。

101 マンドリンを弾くジプシー、1874年、油絵、サンパウロ美術館(ブラジル)

102 マンドリンを手に夢想する女(Girl with Mandolin)、1860－65年、

セントルイス美術館(アメリカ)

103 マンドリンを持つジプシーの少女(Gypsy Girl with Mandolin 1870年、

Oil on canvas、ワシントン・ナショナル・ギャラリー(アメリカ)

104 マンドリンを持つ若い女、1870年、キャンバス油彩、

オルセー美術館(フランス)

105 Young Woman with a Mandolin、1860年、Oil on canvas、

Location-Unspecified

106 Mandolin Woman、1860－65年、ルーヴル美術館（フランス）

107 Woman in a toque with a mandolin、1850－55年、Oil on canvas、

個人蔵

108 Young Woman in Greek Dress、1870－1872年、Oil on canvas、

ルーヴル美術館（フランス）

109 Girl with Mandolin、1871年、Oil on canvas

110 Young Woman in a Red Bodice holding a Mandolin

1868年頃、Oil on panel、Norton Simon　Museum(アメリカ)

111 Frau mit Mandoline、1826－28年、Handmade oil painting on canvas、個人蔵

112 Italienne assise jouant de la mandoline、1865年、Oskar Reinhart Collection(スイス)

113 La Zingara(注：Zingaraとはジプシーの意)、1865年頃、個人蔵

114 Seated Woman with Mandolin

115 Young woman with a mandolin

116 Seated Young Woman with Mandolin

117 Young Woman of Sparta、1868－70年、Oil on canvas、Brooklyn Museum(アメリカ)

■ ミレー

次はJean-François Millet、ジャン＝フランソワ・ミレー(1814－1875、フランス)です。

「晩鐘」、「種まく人」、「落穂拾い」等で有名なバルビゾン派を代表する画家。

118 Young Girl playing Mandolin、1843－45年、Pastel on paper、

Galerie Eric Coatalem(フランス)

■ ピカソ

Pablo Picasso、パブロ・ピカソ(1881－1973、スペイン)

多作だったピカソはマンドリン絵画についてもかなりの数の作品を残していますが、ここでは類似する作品の一部を割愛しています。

119 マンドリンをひく女(Girl with Mandolin)、1910年、Oil on canvas　

The Museum of Modern Art(アメリカ)

120 Woman playing the Mandolin、1909年、Oil on canvas

121 Woman with Mandolin

122 Woman with a Mandolin、1925年、Oil paint、

Norton Simon Museum(アメリカ)

123 Mandolin

124 Mandolin and Guitar

125 Still Life with Mandolin

■ モリゾ

Berthe Morisot、ベルト・モリゾ(1841－1895、フランス)

19世紀印象派の女性画家で、下の絵のジュリーは愛娘。

126 マンドリンを弾くジュリー(La mandoline)、1889年、油絵、個人蔵

127 マンドリンを弾く少女(Girl playing the Mandolin)、1890年、

Oil on canvas、個人蔵

■ マティス

Henri Matisse、アンリ・マティス(1869－1954、フランス)

野獣派のリーダ－的存在で、20世紀を代表する芸術家の一人。

128 Femme a la mandoline、1922年、オランジュリー美術館(フランス)

129 Tabac Royal、1943年、Oil on canvas　

■ ゴーギャン

Eugène Henri Paul Gauguin、ウジェーヌ・アンリ・ポール・ゴーギャン(1848－1903、フランス)

フランスのポスト印象派の最も重要かつ独創的な画家の一人。

130 マンドリンと花瓶、1885年、オルセー美術館(フランス)

131 Mandolin on a chair、1880年、 Oil painting on canvas、個人蔵

132 Mandolin and Vase of Flowers、1883年、Oil painting on canvas 、Location-Unspecified

133 縫い物をするスザンヌ、1880年、裸婦習作、

ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館

134 Self Portrait with Mandolin、1889年、個人蔵

■ ローランサン

Marie Laurencin、マリー・ローランサン(1883－1956、フランス)

20世紀前半に活動したフランスの女性画家。

長野県茅野市の蓼科湖畔にあるマリー・ローランサン美術館は世界で唯一のローランサン専門の美術館として有名(2011年閉館されました)。

135 マンドリンを持つ少女(Jeunes Filles a la Mandoline)、キャンバス油彩

136 Girl with a Guitar Oil painting on Canvas

137 マンドリンを持つ三人の娘と犬、銅版画

138 スモール・リサイタル

139 マンドリンのレッスン

140 マンドリンを持つ少女

141 Woman with Mandolin

142 リュートを持つ少女と3人のコンサート

■ シャガール

Marc Chagall、マルク・シャガール（1887－1985、ロシア）は、20世紀のロシア出身のフランスの画家。

ユダヤ人でナチスの迫害を受けアメリカに亡命、のち再びフランスに戻りました。

143 Clown musicien

144 Le clown à la mandoline

145 カルメン、リトグラフ

146 リサと一緒にマンドリン、1914年

■ ルソー

Henri Julien Félix Rousseau、アンリ・ジュリアン・フェリックス・ルソー（1844－ 1910、フランス）は、印象派時代に活躍した素朴派を代表する画家。

下の「眠れるジプシー女」はルソーの代表作とされています。

147 眠れるジプシー女(La Bohémienne Endormie)、1897年、油彩、

ニューヨーク近代美術館

■ ルノワール

有名画家の締めは日本人が大好き、Pierre-Auguste Renoir、ピエール＝オーギュスト・ルノワール (1841－1919、フランス)、印象派の大家。「モナ・リザ」、「真珠の首飾りの少女」と並んでルノワールの「イレーヌ嬢」はあまりにも有名。下の2作品は最晩年の作で、リューマチに苦しんだルノワールが筆を指に結び付けて描いたと言われます。