イタリア 3
イタリアには私は6回行っていますのでもう行くことはないだろうと思っていました。
2019年は春から腰部脊柱管狭窄症のため足の痛みと痺れがひどく必死にリハビリを続けていましたが、秋に親しい仲間総勢12名でイタリアに行く話が持ち上がりこれを足を治す目標にしようと一層のリハビリに努め、無事旅行に参加することができました。
もし治らなければ高い旅行のキャンセル料がかかるところでした。
今回は2019年10月に行きました北イタリアの旅についてブログ記事を編集して綴ってみたいと思います。
[目 次] (青色文字の項目にはリンクが貼られています)
1 7度目のイタリアへ (2019年9月19日のブログを編集)
2 ヴァチカン美術館 下調べ (2019年10月7日のブログを編集)
3 フォロ・ロマーノ 下調べ (2019年10月18日のブログを編集)
4 北イタリアに行ってきました (2019年11月7日~12月11日のブログを編集)
5 フォトブックを作りました (2020年2月2日、24日のブログを編集)
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10月下旬に家内と8日間の北イタリア行きを計画しています。
イタリアは今回で私は7度目、家内は4度目です。
過去私が家内より3回多いのは1回は社用(欧州5ヶ国視察旅行)、1回はシエナとフィレンツェでの、もう1回はシチリアのタオルミーナでのマンドリンコンサートに出演したためです。
家内とのイタリア旅行は過去すべてツァー会社企画のお仕着せツァーでしたが、今回はじめて気のおけないツァー仲間12人での自主企画で、仲間の一人が親しいローマ在住の日本人公認ツァーガイドに詳しい行程作成や交通機関と観光施設のチケット手配や旅行中のガイドを依頼、フライトとホテルのみ日本のツァー会社に予約依頼しました。
気心の知れた仲間との海外旅行はこれまでもいろんなメンバーといろんな所に行っていますが、知らない人ばかりのツァー会社企画のツァーにはない楽しさがあります。
今回の旅の目的は観光以外にツァー仲間共通の知人、東京芸大出身のプロのオペラ歌手が歌うミラノでのリサイタルを聴くこと、いわば追っかけです。
日本でのリサイタルも今まで何度か聴いていますので何もわざわざイタリアまで追っかけて行って聴くこともないですが、追っかけにかこつけてわいわいがやがや観光して楽しもうというのが主目的です。
この歌手も私たちとは別グループでたくさんのお弟子さんたちとイタリアに行く予定です。
イタリアは初めてという人もいますのでローマ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ピサ、コモ湖、ミラノといった北イタリア定番の有名観光地を巡ります。
私たち夫婦はすべて過去に行った所ばかりですので、ローマではフォロ・ロマーノ見学、フィレンツェではピッティ宮殿見学、ピサでは斜塔に登ること、コモ湖では遊覧船に乗ることなど今までのツァーで実現できなかったことを行程に入れてもらいました。
ツァー会社企画の旅行ではありませんので、一番経験ありそうということで私に依頼され12ページほどの小冊子「旅のしおり」を作ってメンバーに配りました。
中とじ資料の作り方を調べておいて役に立ちました。
下は「旅のしおり」の一部です。
冊子の最後に旅の一口メモやおみやげリストまで載せた情報満載の資料です。
内容が詳しすぎてツァーガイドさんの仕事を奪ってしまってはいけませんので巻末に「本内容は極力正確を期しましたが主に過去の現地体験とネット情報によっていますので一部情報が古かったり間違っている箇所があるかも知れません。ツァーガイドさんのご説明を最優先にお願い致します。」との断りを入れました。
リサイタルはミラノ近郊のメデイチ家別荘、ヴィラ・メディチ・ジュリーニのテアトリーノ(小劇場)で開催され、同夜ここに宿泊します。
ヴィラ・メディチ・ジュリーニ
リサイタルの最後に会場の皆とヴェルディ作曲のオペラ「ナブッコ」の第3幕第2場での合唱「行け わが想いよ 黄金の翼にのって」を歌うとのことで、私たちも原語で歌えるようカタカナを添えた楽譜資料を作りました。
歌詞を添えられる楽譜作成ソフトが役に立ちます。
余りにも素晴らしくきれいな曲で私も大好き、イタリア人なら知らない人はいないくらい有名な曲ですから現地の人たちがどのように歌うのか楽しみです。
ナブッコはバビロニアの王の名前、旧約聖書に題材を取った歌で歌詞そのものは私たちにはなじみがうすく、オペラの概要や歌詞の訳まで載せるのは割愛し、単純にメロディを楽しめればと割り切りました。
6年前シエナとフィレンツェでマンドリン合奏した懐かしい曲でもあります。
「旅のしおり」にはスペースの関係で一般的なことしか書けませんでしたのでこれだけでは事前準備として不十分です。
・ヴァチカン美術館
・フォロ・ロマーノ
・ピッティ宮殿
で何を見るべきか必見の対象物を絞り込み、地図と観覧順序の事前確認が必要です。
なにせどこも広大でかつ混んでいるでしょうし観光時間も限られ効率良く見て回るには十分な下調べが必要です。
特にヴァチカン美術館は観覧総延長7km、見学できる部屋数が1,400もあるという化け物のような美術館ですし、フォロ・ロマーノも予備知識なしに見学してもただの壊れたガラクタが散らかっている暑いだけの退屈な場所となってしまいます。
バチカン美術館は過去に行っていますがビデオや写真を撮ることに夢中で肝心な対象物をじっくり見てはいません。
わざわざ写真に撮るまでもなく今日ネットには高精細な画像が溢れています。
今回はこの目で直接脳裏にしっかり作品を焼き付けてこようと思います。
最低限見るべき主要作品を次の7点に絞り
・キリストの変容(ラファエロ作、バチカン絵画館)
・聖ヒエロニムス(ダヴィンチ作、バチカン絵画館)
・ベルヴェデーレのアポロン(ピオ・クレメンティーノ美術館)
・ラオコーン(ピオ・クレメンティーノ美術館)
・アテナイの学堂(ラファエロ作、ラファエロの間)
・創世記(ミケランジェロ作、システィーナ礼拝堂)
・最後の審判(ミケランジェロ作、システィーナ礼拝堂)
の順に見て回ることにしました。
これら作品の概要をまとめ館内順路地図とともに資料化しました。
これら以外の作品は館内移動中に見れるものも多々あることでしょう。
現在フォロ・ロマーノについてまとめ作業をしています。
本来は4月頃家内とイタリアの小さな村巡りをしようとツァー会社に申し込んでいましたが、運悪く私が脊柱管狭窄症になりそれどころではなくなりました。
早く治すには何か目標があれば励みになると思い、持ち上がったこのツァー企画に参加することにして懸命にリハビリに取り組みました。
治らなければ高い航空券やホテルのキャンセル料が必要なところでしたがおかげでなんとか無事回復しツァーに行けそうです。
今月下旬に迫ったイタリア行きですが、成田発着のアリタリア航空でローマ→フィレンツェ→ヴェネツィア→ピサ→コモ湖→ミラノを8日間で巡ります。
日本人が大好きなあれもこれも式の超過密スケジュールで、私が作成してメンバーに配った旅のしおりのタイトルも多少皮肉を込めて「北イタリア満喫大忙しツァー」としてあります。
今回は自主企画ツァーです。
メンバーの一人が知り合いのローマ在住ベテラン日本人女性ガイドさんが皆のわがままを取りまとめて工程を組んでくれましたが、通常なら10日以上必要なツァーだと言います。
ガイドさんはメンバーのためにいろいろ費用を抑える工夫をし、要りもしない高級ブランド店に立ち寄るなどの時間の無駄もいっさいありません。
8日間と言っても往復のフライトを除けば正味5日間、ぼんやりしていると何が何だかわからないうちにあちこち連れ回されてアッという間に旅は終わってしまいます。
せめて記録に残しておこうと建物や風景、絵画などをバシャバシャ写真に撮っていると撮ることに気を取られて脳に印象が残りませんし、今までの経験からこれら苦労して撮った写真も旅行後繰り返し見ることもほとんどありません。
テレビの旅番組に行ったはずの場所が映っても私は果たして行ったかどうか記憶があいまいなことも多く家内に「ここ行ったっけ」と聞くと、写真係りではない家内は明確に覚えていて私に「あなたは何回行っても大丈夫ね」などとからかわれてしまいます。
ネット情報が発達している現在たいていの建物や風景、絵画などはネット上に溢れていますのでわざわざ撮るまでもなく、特に絵画は人ごみの中ではきれいに撮れません。
写真を撮るならなるべくメンバーのスナップなどに限るようにして建物や風景、絵画などは目に焼き付けておくようにすべきでしょう。
ただネットの絵画写真は赤っぽいものから青っぽいものまで色調がいろいろでどれが本物に近いか、こればかりは本物を見ない限りわからないのが難点です。
ヴァチカン美術館で何を見るべきか、過去に行ってはいますが漫然と見てきていますのでどの絵画も強く印象に残ってはいません。
そこでガイド本、ネット記事やYouTube動画などから最低限見ておくべき作品を前回のブログに書きましたとおり7点に絞りました。
これらの作品を広い館内で見つけやすくするため
・絵の写真
・絵のタイトル、作者、展示場所を日本語、イタリア語表記で
・絵の簡単な説明
を表にまとめました。
次にこれら絵画の展示場所の館内での位置関係を頭に入れておかなくてはなりませんが、入口で手に入る館内案内図(ネットにもあります)はイタリア語版はあっても日本語版はないようです。
その上イタリア語版の館内図が非常にわかりにくくてネット上でもすこぶる不評です。
日本語に直してみたら少しは分かりやすくなるかと思ってやってみましたがやはりだめです。
理由は館内展示が上階と下階に分かれ立体配置になっているのに三次元的に描かれていないため距離感を含め全体イメージがつかみにくいからです。
世界でも超有名な美術館の案内図がどうしてこんなにも不親切なのでしょう。
さんざん探してやっとこれなら少しマシかと思える館内図を見つけ、改良して作ってみたのが下図です。
まるで増改築を重ねて本館、別館、新館を入り組んだ渡り廊下で連結した日本の老舗旅館のごとくとても複雑な構造になっています。
絞り込んだ7作品を順序良く見るには絵画館→ピオ・クレメンティーノ美術館→ラファエロの間→システィーナ礼拝堂の順に回れば良いことがわかります。
ヴァチカン美術館見学のあとサンピエトロ寺院に行くのですが、入口近くにある正規の出口に戻らず途中のシスティーナ礼拝堂から直接サンピエトロ寺院に抜ける近道を通ります。
そのためには出口近くにある絵画館には入館直後に先に見ておく必要があるのですが、ローマのガイドさんに問い合わせると「時間の都合で絵画館には行きません」との何ともそっけない返事。
これでは絵画館で見たいと思っていたラファエロとダ・ヴィンチの名作が見れなくなってしまいます。
ガイドさんは、ピーニャ(松ぽっくり)の中庭でシスティーナ礼拝堂の説明をしている時間を利用してこの間に絵画館に行ってきてはどうかと言われます。
システィーナ礼拝堂の中ではガイドが声を出して説明できない(カメラも使えない)ため先に屋外の中庭で説明用に立ててあるパネルを使って説明をします。
ここでどれくらい時間が取れるか現地で判断するしかありません。
大忙しツァーならではの事例です。
次はフォロ・ロマーノの下調べです。
ローマは何度か行っていますがフォロ・ロマーノは今回やっと訪れる機会を得てとても楽しみにしています。
外観上はほとんどが古代の建築物のごく一部しか残っていないような場所ですので事前に十分調べて想像力を働かせて見学する必要がありそれだけに評価も分かれ、遺跡にあまり興味のない人には魅力を感じない場所に映るかも知れません。
チケットはフォロ・ロマーノ、コロッセオ、パラティーノの丘の共通券ですが、どうしても有名なコロッセオを優先し、地味なフォロ・ロマーノは後回し、さらにパラティーノの丘にまで足を延ばす人はもっと少ないというのが実情のようです。
フォロとはフォーラム(Forum)の語源、フォロ・ロマーノは2000年前古代ローマの集会所、公共広場、ローマ市民の広場の意、古代ローマ政治の中心地、カエサルが演説し歴代皇帝たちが凱旋したローマで最高の遺跡群ですから、ここを訪れずしてローマを見たとはとても言えません。
パラティーノは宮殿(Palace)を意味する語の語源、共和制時代から帝政時代にかけての貴族や有力者が住む住宅地でした。
いろんな資料を参照し遺跡の名前と写真に簡単な説明をつけて資料化しました。
・エミリアのバジリカ(バジリカは公会堂、集会所の意)
・クーリア・ユリア(元老院議事堂)
・セヴェルスの凱旋門
・聖なる道(ヴィア・サクラ)
・サトゥルヌスの神殿
・ユリウス(ユリア、ジュリア)のバジリカ(バシリカ・ユリア)
・カストルとポルックスの神殿
・ヴェスタの神殿
・カエサルの神殿(カエサルが火葬された場所とされます)
・ヴェスタの巫女の家
・アントニヌスとファウスティナの神殿
・ロムルスの神殿
・マクセンティウスのバジリカ
・考古学博物館
・ティトゥスの凱旋門
フォロ・ロマーノの2倍以上の広さがあるパラティーノの丘からはフォロ・ロマーノが一望できるほか
・ファルネジアーニ庭園
・パラティーノ考古学博物館
・ドムス・アウグスターナ
・スタディオ
など見るべき遺跡も点在しています。
これらの遺跡の位置関係を明らかにして効率的に順序良く見て回れるよう全体地図を探しましたがいいものがありません。
仕方なくGoogle地図にプロットする方法を取りました。
■ クーリア・ユリア(元老院議事堂) Curia Iulia
2年前の2017年4月テレビ東京の番組「美の巨人たち」の「アッピア街道」前編でフォロ・ロマーノが詳しく紹介され元老院議事堂の中の素晴らしい様子が映し出され、それが強烈に記憶に残っていて今回ぜひ見たいと思っていました。
元老院を入って両側に戸口調査(ケンスス)の情景やトラヤヌス帝が母子に接見する場面の彫刻、また床を飾る見事なオプス・セクティレ技法は四世紀のものとしては最も保存状態のよい例の一つと言われ必見の価値があります。
しかしガイドさんの話しでは現在元老院は閉まっていて中が見れないとのこと、非常に残念です。
番組の再放送、あるいはDVDの販売を願っています。
下調べを進めるうち、驚いたことに発掘調査や修復が終わり今まで見ることのできなかった貴重な建物の内部を公開している遺跡がフォロ・ロマーノに一つ、パラティーノの丘に二つあることがわかりました。
■ 聖母マリアアンティクア教会 Chiesa Santa Maria Antiqua
フォロ・ロマーノのカストルとポルクスの神殿の南西に隣接、2016年に30年ぶりに内部が一般公開されました。
その美しさは「中世のシスティーナ礼拝堂」と称えられています。
本来の姿、復元予想図を3Dで映し出してくれます。
玉座に座る聖母子像(聖母マリアと幼子イエス)
■ リヴィアの家 Villa di Livia (Casa di Livia)
紀元前1世紀のもので19世紀に発掘されました。
パラティーノの丘のアウグストゥスの家に隣接しています。
■ アウグストゥスの家 Domus Augusti
パラティーノの丘のドムス・アウグスターナの東に建ちローマ帝国初代皇帝アウグストゥスの邸宅跡。
発掘調査が終わり2008年3月から公開されています。
他の遺跡がほぼレンガを残すのみのものですが、ここだけは極彩色の壁画がほぼ完璧に残っています。
アウグストゥスはカエサルにより後継者に指名され、カエサルの暗殺後元老院の力を抑えて実質的な元首(皇帝)の地位に初めて就きました。
これら聖母マリアアンティクア教会、リヴィアの家、アウグストゥスの家についてはガイドブックにもほとんどまだ詳しく紹介されておらず、ネットで所在位置を探すにも苦労しました。
いずれも見学には通常チケットとは別に追加の特別チケットが要るようです。
遺跡保護のため見学曜日、一回の見学者数、見学時間などが制限されており詳しい情報がネット上からはよくわかりません。
ガイドさんによれば元老院同様現在どこも閉まっていて見ることができないようでがっかりです。
これら屋内の素晴らしいフレスコ画が見れるのと見れないのとではフォロ・ロマーノを訪れる値打ちが天と地ほど違います。
ああ残念!残念!
これを機に塩野七生さんの大作「ローマ人の物語」(単行本15巻、文庫本では43冊)をぜひ読んでみたいものと思いました。
それでは21日より行ってまいります。
年々海外旅行は体力勝負です。
今回は半年間患った腰部脊柱管狭窄症がほぼ治ったあとだけに特に足腰に注意しながらの旅行でした。
帰国してもう1週間以上経ってしまいました。
やっと体調も戻って旅行の整理があらかたついたところです。
遅くなりましたが旅行記を綴ってみたいと思います。
写真掲載については風景や絵画の写真はネットに溢れるほど載っていますのでなるべくそれ以外の写真をと思っております。
今回は出発から少々トラブリました。
リムジンバスで成田に行こうと考えていたのですが即位に伴う祝賀パレードによる都内の交通渋滞が予想されるためバスの運行予定が立たないとのことで仕方なく成田エクスプレスで行くことにしてネットで切符を予約し駅で購入していましたら直前になってパレードが延期、バスのほうが便利なのですが今さら切符をキャンセルしてバスに変更する意欲も失せそのまま列車で行くことにしました。
その列車ですが、出発当日成田エクスプレスが駅に入ってくる直前、一人の男性がプラットフォームからころげ落ち線路にまたがるように寝ころがってしまいました。
そこら中の駅の赤ランプが点灯し警報が鳴り響きましたが、幸いなことにすんでのところで列車の急停止が間に合い大事故を免れました。
どうも酔っぱらって誤って落ちたようですが、プラットフォームにいた私は一部始終が良く見える位置にいましたのでぞっとしました。
列車は20分ほど遅れて発車しました。
どうもさい先良くないスタートではありましたが、その後の旅行は何事もなく順調でこの事件のこともその後すっかり忘れていました。
成田に着いていつも最初にやることは両替です。
一番割のいい両替所は成田空港グループ直営のGPAですが、メンバーの一人が千葉銀行の両替手数料1割引券を持っていましたので、両社の店頭表示レート (両替手数料込み)を見比べてどちらが得か計算しました。
手数料1割引後の両替レートは
店頭表示レート-0.1×(店頭表示レート-本日の生レート)
で計算できます。
私が手計算し千葉銀行のほうが有利とわかりましたので全員千葉銀行で両替を済ませました。
搭乗エアラインは私の一番乗りたくないアリタリアです。
航空会社の格付け調査を行うスカイトラックス社のエアラインオブザイヤー2019で何と72位という低位にランキングされています。
日本人大好きイタリアへの直行便を運航しているため仕方なく利用しているというのが実情でしょう。
添乗員の間では「アホタリア」とバカ呼ばわりされています。
往路のローマ行き機種B777-200ERは横10席(3+4+3)、通路が極端に狭くカートの横を人が通れません。
復路のミラノからのA330-200は横8席(2+4+2)、トイレが少なくエンターテイメント機器も旧式でよくフリーズして動かなくなります。
往路、復路とも日本語訳の映画が極端に少なく、機内食も中の下といったところでした。
マイレージはスカイチームですが共同運航しているスターアライアンスのANAが使えます。
2日目はローマ一日見学、ガイドさんにこの日は全日程で一番忙しい日になると言われました。
まずはヴァチカン見学です。
さすがローマ在住のガイドさんだけあって予約したヴァチカン美術館を先に見てからシスティーナ礼拝堂脇の抜け道を通ってサンピエトロ寺院を見学するという知る人ぞ知る最も効率的な見学ルートを取りました。
ヴァチカン美術館は予約しておくことで当日券を買い求める長蛇の列に並ばなくていいですし(予約料が必要ですが)、システィーナ礼拝堂脇の抜け道を通ることでこれまたサンピエトロ寺院に入場するためのセキュリティチェック待ちの長蛇の列に並ばなくて済みます。
ヴァチカン美術館はまだ朝の早い時間でしたがすでに人でごった返していました。
込み合う館内券売フロア
まずは美しい螺旋階段を見てから、ガイドさんはいきなりピーニャの中庭でシスティーナ礼拝堂の中の絵画の説明を始めました。
私と家内はその間に別行動しピナコテカに行ってラファエロの「キリストの変容」とミケランジェロの彫刻「ピエタ像」(レプリカ)を見てきました。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「聖ヒエロニムス」は貸し出し中とかで残念ながら見ることができませんでした。
このあと見たかったピオ・クリメンティーノ美術館はすっ飛ばされて上階のタペストリーのギャラリー、地図のギャラリーのいつも込み合う長い直線廊下を歩いてラファエロの間で「アテナイの学堂」を鑑賞しました。
それから再び下階に下りてシステーナ礼拝堂でミケランジェロの「最後の審判」と天井画「創生期」を見ることができました。
ガイドさんにせっつかれるように先を急いでシスティーナ礼拝堂脇の抜け道からサンピエトロ寺院に入場。
システィーナ礼拝堂脇の抜け道
午後も大忙し、フォロ・ロマーノ、コロッセオ、トレビの泉、スペイン階段をあたふたと巡りました。
デジカメのバッテリーが切れ、換えのバッテリーをホテルに置いてきたため残念ながら午後は何も写真に残せませんでした。
当初コロッセオは外観を見るだけで入場しない予定だったのですが、見学希望者が多かったのか入場することになり(チケットは元々フォロ・ロマーノとの共通券)、その分私がじっくり見たかったフォロ・ロマーノの見学時間が削られた格好になりました。
フォロ・ロマーノでは特に見たかった聖母マリアアンティクア教会がガイドさんの説明によれば閉まっているとのことで見学できなかったのですが、せめて外観だけでもとここも別行動で見に行ってきました。
行ってみると建物の出口が開いていて係りの女性が座っていました。
入りたそうなそぶりをしていたのを感づかれたのかまったくラッキーなことにどうぞと言うしぐさ、本来ならばこの教会は別途チケットを購入しなければ入れないのですがフリーで入ることができました。
閉まっているはずの教会の中に見学者が何人かいました。
私のように出口から特別に入れてもらった人なのか正規に入口から入場した人なのかは不明です。
この教会は遺跡保護のため入場できる曜日、一日の参観者数や参観時間帯などが細かく制限されています。
たまたま私が見学した時間が時間外だったのかすでに定員オーバーだったのかよくわかりません。
バッテリー切れで絶好の機会に写真が取れなかったのはかえすがえすも残念なことでした。
パラティーノの丘からフォロ・ロマーノを俯瞰したかったのですがこれも時間の都合で叶いませんでした。
2日目はバチカン美術館、サンピエトロ寺院、フォロ・ロマーノの見学後コロッセオ、トレビの泉、スペイン階段を大急ぎで見て回りました。
3日目はローマからフィレンツェへ重い荷物を持ってユーロスター・イタリア プレミアム(1等車)で列車移動です。
フィレンツェ観光の定番はドゥオモやウフィツィ美術館ですが、今回の観光のメインはピッティ宮殿とボーボリ庭園です。
ホテルに荷物を預けタクシーに分乗してさっそくピッティ宮殿に向かいます。
ピッティ宮殿ではまず宮殿内のパラティーナ美術館(ピッティ美術館)を見学しました。
ウフィツィ美術館と違って混んでいないのでゆったり見て回れます。
パラティーナ美術館にはたくさんの大広間がありますが「カスタニョーリの間」もその一つ、この部屋での注目はフィレンツェ風モザイク、コンメッソフィオレンティーノで作られた「ミューズのテーブル」と呼ばれる非常に豪華で大きな丸テーブルです。
テーブルには保護のためガラス板がのせてあり、写真を撮りますと反射光が写り込んできれいに撮れません。
このテーブルの中央部のモチーフはアポロンの馬車ですが、心にくいことにこのテーブルに呼応して天井画にもアポロンの馬車が描かれています。
天井画は平面ながら立体的に見せるだまし絵になっています。
天井画を描いたのがジュゼッペ・カスタニョーリで、部屋の名前の由来となっています。
テーブル中央部のアポロンの馬車
天井画の馬車の写真はネットにもありますがテーブルの馬車は探した限りどこにも見当たりませんのでこの写真は撮っておいて良かったです。
ただテーブルの斜め上からしか撮れませんので画像の縮尺が歪んで撮れています。
あらかじめ調べておいた必見の絵画は
・「大公の聖母」 ラファエロ
・「マッダレーナ・ドーニの肖像」 ラファエロ
・「小椅子の聖母」 ラファエロ
・「ヴェールを被る婦人の肖像」 ラファエロ
・「婦人の肖像(美しきシモネッタ)」 ボッティチェリ
「大公の聖母」はラファエロの描いた聖母像の中でも特に有名な作品の一つ、「ヴェールを被る婦人の肖像」はルネサンス肖像画の最高峰とも言われています。
写真ではなかなかきれいに撮れませんので上の画像はネットからの拝借です。
絵画鑑賞に続いて君主の居室の王座の間などを見学したあと館外に出て広大で美しいボーボリ庭園を散策しました
庭園はなだらかな丘になっていて、息を切らしながら長い坂を上りきって庭園の一番高い所から見た景色が下の写真です。
写真の中央奥にさきほど絵画等を鑑賞した宮殿が見えます。
庭園にはブオンタレンティ(設計者の名)のグロッタ(人工の洞窟)と呼ばれる遊びで作ったと思われる変てこな洞窟があります。
この洞窟は今まで非公開だったのですがしばらく前から時間制で無料公開となり、幸いなことに行ったときはちょうど開いている時間帯でした。
洞窟最奥の3つ目の部屋でジャンボローニャの代表作ヴィーナスの彫刻を見ることができました。
上の洞窟の写真で左上に見える通路のようなトンネルは「ヴァザーリの回廊」と呼ばれ、ベェッキオ橋の上を通りウフィツィ美術館に至る全長約1キロの隠し通路(と言っても丸見えですが)になっています。
洞窟の左端に見えるうす青色の小さなドアが出口です。
現在は原則非公開ですが2021年に完全公開を目指しているようです。
意外と広い回廊内部 (ネットより)
時間の関係で宮殿と庭園内を隅々まで見ては回れませんでしたが機会があれば一日かけてゆっくり見学するに十分価値ある名所だと思いました。
3日目はピッティ宮殿とボーボリ公園見学のあと徒歩でアルノ川に架かるベッキオ橋を渡ってフィレンツェ中心部に戻りシニョリーア広場、ベッキオ宮殿、ドゥオモ、洗礼堂などの外観を見学して夕食のレストランへ。
暗闇に浮かぶドゥオモのクーポラとジョットの鐘楼
今回のツァーは旅行会社の企画旅行ではなく親しいメンバーによる自主企画でメンバーの知人であるローマ在住の日本人ガイドさんにメンバーの希望を入れた行程を組んでもらいました。
ガイドさんは現地のことを良く知っていますので食事についても各地の安くておいしいレストランを選んで連れて行ってくれました。
フィレンツェでは地元でも人気のレストラン、チェントポーヴェリでフィレンツェ風ビステッカのメニューでした。
4日目は高速列車イタロでヴェネツィアに日帰りツァーです。
フィレンツェに連泊しますので重い荷物なしの身軽な移動です。
ヴェネツィアはこれで4度目の訪問になりますが、生まれて初めての外国の地がこのヴェネツィアでしたので私にとって格別な感慨があります。
30年以上前に泊まった懐かしいホテルBAUER GRUNWALD、国際学会出席で行ったサン・ジョルジョ・マッジョーレ島、家内とゴンドラに乗って聞いた舟歌Gondoli Gondola (ブログのここに動画を載せています)、当時日本の皇室も購入されたという家内と買い求めたヴェネツィアングラスの人形がまだその店に展示してあったことなどいろんな思い出がよみがえります。
サン・マルコ広場、リアルト橋、大聖堂の見学、ゴンドラ遊覧などを楽しみヴェネツィア名物イカ墨パスタも食べ終えとここまでは順調だったのですが、さあリアルト橋からサンタルチア駅へ水上バスで戻ろうとしたとき思わぬトラブルが起きました。
ちょうどやってきた水上バスによく確かめもせずわれ先にと全員乗り込んでしまい、気が付くと肝心のガイドさんが乗っていません。
もう船は動き出していました。
桟橋の方を振り向くとガイドさんが「違う、違う」と大あわてでジェスチァーしています。
どうしたらよいかわからずみんなパニックになってしまいました。
ここで急場を救ってくれたのが文明の利器、スマホでした。
メンバーの一人がガイドさんに電話し、この船はサンタルチア駅へは行かないこと、とにかく次に停まる船着き場で降りて待つよう指示がありみんなホッと胸をなで下ろしました。
こういった時携帯は本当に便利、昔ならこうはゆきません。
携帯と言えば旅行中あちこちでガイドさんが携帯で撮ってくれる全員の集合写真をLINEでメンバーに転送してくれていました。
気が付くとこの旅行にデジカメを持ってきたのは私だけ、あとはみんな携帯でバシャバシャ写真を撮っているのでした。
もうそんな時代なのですね。
この時期心配なのがヴェネツィアの高潮で、私は旅行に行く前からネットで現地の高潮予報をウォッチしていました。
観光当日の潮位はかなり高かったのですが観光には何とか大丈夫でした。
しかしその後3週間もしないうちにヴェネツィアは過去50年で最高水位という猛烈な高潮に見舞われ、日本でもニュースになりました(下の写真)。
この写真は高潮に襲われた当日のサン・マルコ広場の様子(報道写真より)で、こうなると観光どころではありません。
私たちは高潮被害に遭わずに観光できて幸いでした。
一日も早く高潮対策「モーゼ計画」が完成してほしいものです。
フィレンツェはイタリア観光の要所の一つ、ここを起点に長期滞在しながら列車やバスで近郊各地に観光に出掛ける人を多く見かけました。
5日目はフィレンツェからバスでピサに向かい斜塔を見学してミラノに向かいます。
その前にミケランジェロ広場に立ち寄りフィレンツェ市街を一望しお別れしました。
ピサの駐車場でバスを降り、そこから遊園地にあるようなトロッコ電車(下の写真)に乗り換えて斜塔のある広場まで行きます。
以前は確かこんなトロッコなどなくバスが直接斜塔近くまで行っていたように記憶していますが、なぜこのようなやり方に変えたのかよくわかりません。
ピサはこれで3度目、過去2回はいずれも斜塔に上っていませんので今回ぜひ実現できるよう行程に組んでもらっていました。
予約時間を守らないと搭に上れません。
時間が迫っていたためトロッコを降りてガイドさんを先頭にみんな斜塔目がけて走ること、走ること。
足を酷使したため具合悪いことに半年間苦労してせっかく治した足の痛みがぶり返してきましたが、ここでへこたれるわけにはゆきません。
息を切らしへとへとになって斜塔入口に着いて、休む間もなくこれからさらに297段、8階までの螺旋階段を歩いて上るのです。
エレベータなどありません。
何が何でも上り切るぞと強い覚悟を決めてすり減ってでこぼこの狭くて固い階段を一歩一歩上りました。
途中の階であきらめた人が何人もいます。
搭が傾いているので体が壁に吸い寄せられて上りにくいです。
やっと頂上に着いて、そこからの眺めは苦労も吹っ飛んで最高でした。
搭の上からの展望、手前の大きな建物がデゥオモ、後方の丸屋根の建物が洗礼堂です。洗礼堂での肉声の和音のデモが聴けず残念でした。
斜塔見学のあとはバスで途中ワイナリーに立ち寄って昼食と試飲、その後ミラノに向かい大聖堂、エマヌエーレ2世のガッレリアを見学、この日の夕食はミラノ風リゾットとカツレツでした。
いよいよ観光も最終、6日目はコモ湖遊覧とメディチ家別荘で私たち夫婦はじめツァーメンバーの親しい知人が歌うソプラノリサイタル鑑賞です。
コモ湖は以前イタリアからスイスに抜ける旅の途中に立ち寄ったことがありますが、ゆっくり見ていませんので今度訪れる機会があったならばぜひ湖上遊覧かケーブルカーでブルナーテ山に上ってみたいものと思っていました。
今回湖上クルーズが叶い楽しみにしていました。
ヨーロッパの王室や富豪等セレブがこぞって豪奢な別荘を所有するヨーロッパきっての高級リゾート地コモ湖ですが、遊覧船の発着する湖畔の桟橋周辺は拍子抜けするほど至って簡素で観光地化されていませんでした。
湖畔の桟橋
人の賑わいもそれほどでもなく、夏のバカンスが終わって紅葉にはまだちょっと早い時期だったからでしょうか。
私たちの乗る遊覧船は小型の貸し切りクルーズ船でした。
船の中でガイドさんが「あれが有名な誰それの別荘」などと説明してくれますが、私はそういったことに全く関心がありませんので聞き流してただただゆったりと遠く湖の向こうにそびえる雪をかぶった美しいアルプスの山々を眺めていました。
今回の旅行の最後となる今宵のホテルはメディチ家が17世紀にミラノ近郊のBriosco(ブリオスコ)に音楽を楽しむために建てたバロック建築様式のとても贅沢な別荘ヴィラ・メディチ・ジュリーニで、このヴィラには大変貴重な古い鍵盤楽器などが多数展示されていて滞在中これらの楽器も鑑賞することができます。
リサイタルはこの別荘のテアトリーニ(小劇場)で催されました。
ヴィラ・メディチ・ジュリーニ
テアトリーニ
リサイタルの演目は全13曲、作曲者名で知っていたのは
・ピアソラ 「ロコへのバラード」、「迷子の小鳥たち」
・マスカーニ 「カヴァレリア・ルスティカーナ」 (ピアノ伴奏者のソロ)
・橋本国彦 「舞」 ~六代目菊五郎の娘道成寺に寄せて~
中でも圧巻は日本歌曲の最高峰とも言われる「舞」でした。
6年前日本での公演ですが彼女が「舞」を歌った動画がYouTubeにあります。
リサイタル終演後別荘のオーナーが蒐集、展示している多数の古いピアノを紹介、そのいくつかを自ら演奏して弾き比べてくれました。
オーナーはメディチ家の末裔ではなくこの別荘を買い取った大富豪でこの別荘のほかにもまだいくつも別荘を所有しているとのこと、なかなか品のいいおばあさんといった感じでした。
中にモーツァルトが弾いていたというピアノもあって自由に触らせてくれました。
オーナーと展示ピアノの数々
ピアノやヴァイオリンが展示されていることは前もって知っていましたがオールドマンドリンも展示されていることは別荘を紹介したパンフレットをあとで見るまで知りませんでしたので、もし事前に知っていればぜひ見たかったのにと残念でした。
このあとオーナーも交えてのホールでの食事会、メンバーみんなで食べるこの旅行最後の夕食となりました。
舞台で歌っている彼女の写真を思いがけずオーナーが大きなケーキにしてプレゼントしてくれました。
なかなか粋な心遣いです。
真ん中の写真の部分も全部食べることができます。
この日の宿泊もこの別荘です。
別荘の中はまるで古城のようで夜はお化けが出てきそうで歩くのが怖くなります。
はじめから多くの人が泊まれるように利便性高く作られたホテルではありませんので各部屋を宿泊用に改装してあり段差があったり不便な箇所も随所に見られます。
中にはピアノが置いてある客室もありました。
私たち夫婦の宿泊した部屋、スイートD19「シューマン」の間です。
1階部分は元々従者の控えの間だったでしょうか。広い庭園を少し散策しました。
7日目、この日サマータイムが解除されて1時間余裕ができましたのでホテルでゆっくり朝食をとりミラノの空港へ、8日目無事成田に着きました。
今回の旅行、何度も行った所ですので各観光地で未体験のことを行程に入れてもらいました。
・ローマではフォロ・ロマーノ観光
・フィレンツェではピッティ宮殿(パラティーナ美術館)見学、ボーボリ庭園散策
・ピサでは斜塔に上ること
・コモ湖での湖上遊覧
などです。
今回の旅行で叶えられなかったこともまだいろいろ残っています。
・ローマ近郊のティヴォリ公園とエステ家別荘見学
・フォロ・ロマーノでの聖母マリアアンティクア教会などの見学とパラティーノの
丘散策
・フィレンツェでヴァザーリの回廊を歩くこと、ガリレオ博物館見学
・ヴェネツィアでのムラーノ島などの島巡り
・コモ湖ケーブルカーでブルナーテ山へ
・ローマの国立楽器博物館、ミラノの楽器博物館見学
・ミラノのレオナルド・ダ・ヴィンチ国立科学技術博物館見学
北イタリアだけでなくイタリア全体でもまだまだ行きたいところはたくさんありますのでキリがありません。
体力が続くかぎり家内と旅を楽しみたいと思っています。
昨年10月下旬親しい仲間12名で北イタリアに旅行しましたが、帰国後メンバーそれぞれが撮った写真をかき集めて選別し記念のフォトブックを作ろうという話になり、パソコンで作成するにあたり一番パソコンを使い慣れているということで私が作ることになりました。
私が撮影した分を含め1,079枚の写真が集まりました。
今回の旅行に限らずこれまでデジカメで撮った写真2万枚ほどすべて私はパソコンに保存していて、プリントして見るというようなことは今ではほとんどありませんしフォトブックを作るのも今回初めての試みです。
よく知りませんでしたが調べてみますと各社から特徴のあるいろんなフォトブックが出ているようです。
その中から安い、早い、そこそこきれいと三拍子そろった「しまうまプリント」のフォトブックにすることとしました。
なかなか人気のあるフォトブックのようです。
(しまうまプリントのサイトから)
A5縦タイプ144ページで1冊から注文できて1冊998円、送料は何冊まとめて注文しても100円だけで済みます。
1ページに写真2枚載せるとすれば1枚3.5円でできてしまう計算です。
フォトブックの無料サンプルを取り寄せてみましたが良くできています。
ただ、安くて早いということはそれだけ標準化が徹底していて、ちょっとここをこうしてみたいと思っても複雑なことはできないということでもあります。
例えば
・表紙の色、表紙や各ページのレイアウト、使用できるフォントの種類、サイ
ズや行間隔があらかじめ決まっている。
・画像の画素数は640x480ピクセル以上でなくてはならない。
・写真帳ですからあくまで写真に重きを置いたレイアウトになっていて、例え
ば1ページに上下2枚の写真を配置するとしてそれぞれの写真の下に文章で説
明を入れたくてもこのような既定のレイアウトはなく、また1ページ全体を
使って写真ではなく文字や表を入れるレイアウトもありません。
これらを無理やり可能にするには写真と文字や表とを (あるいは文字や表だけの場合でも) 一体化して画像化しjpegファイルにしてしまうことが考えられます。
そのためにはあらかじめWordで写真や文章の混在したページを作成しSnipping Toolでページ全体を切り取りデスクトップにjpegファイルとしていったん保存します。
しかしこうやって作った画像ファイルをフォトブックの編集画面でページに貼り付けようとして何度やってもエラーになってうまく貼り付けることができませんでした。
はじめ理由がよくわからず困ってしまいましたがどうやら文字は写真に比べて画素数が少ないので640x480ピクセル以下になっていたようです。
画素数を増やそうと背景に飾りの図案を取り入れたりもしてみましたがたいして画素数は増えずうまくゆきません。
次の作戦としてjpegファイルのサイズを大きくすることで画素数を増やそうとペイントで画素数が640x480ピクセル以上となるようファイルサイズを拡大設定すると今度はうまくゆきました。
ここまで試行錯誤で何度やり直したかわかりません。
これで制約に縛られずどんな構成でも自由にレイアウトできるようになりました。
問題は画質の劣化です。
一般に画像を加工することで画質は劣化してゆきます。
画質劣化を少なくするために画像保存のファイル形式を考慮したり専用の画像処理ソフトを使ったりという、そこまで凝ったことはこの際考えないことにしました。
画像の相対的、絶対的大きさと画素数の関係はいつも頭が混乱します。
パソコンをWin7からWin10に買い替えたばかりで使い方にまだ十分慣れておらず苦労しています。
Win7で使っていたSnipping ToolやペイントはWin10では切り取り&スケッチ、ペイント3Dなどというおせっかいソフトに進化・変身しています。
しかしよくよく探せばWin10の中にSnipping Toolやペイントも隠れ残っていて、やはりWin7で慣れ親しんだソフトが今のところ使いやすいですのでタスクバーにピン留めして使っています。
こうして完成したフォトブックです。
はじめての経験でしたが144ページものなかなか豪華なフォトブックが完成しました。
掲載する写真にできるだけメンバーの偏りがないように気を配りました。
一冊1,000円ほどで出来て本棚に場所を取ることなく書籍のようにスッと収まり、写真を1枚1枚貼るアルバムに比べてより簡便で現代的な方法だと思いました。
メンバーみんなに喜んでもらえて良かったです。